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COVID-19の統計(国内)

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の統計数字に関しては,日本国内に関しては厚労省のウェブページになるわけですが,日本の厚労省のものは変な表での数字の発表で変化が全く分からないのですが,気を利かせてか,東洋経済ONLINEのページで見やすいグラフが公開されていますので,大変ありがたく参考になります。



このグラフを見ると,いろんな事が分かります。統計数字はグラフ化して見るというのは基本の基本だろうと思います。厚労省の方たちは,国民向けには毎日入れかわる数字だけで,ご自分たちではグラフを作って見ているのでしょうか**?それとも,民間が作ったグラフを眺めているのでしょうか?

ともあれ,動向が一目で分かります。
感染数に関しては,ここ2,3日大騒ぎになっていますが,日毎の新規感染者に関しては,微分値のようなものですから,バラつくのは当然としても(「累計」ボタンを押すと滑らかに見える累計値になります),短期的には一旦おさまるかの様な動きを何度か見せていたことが分かります。特に大きな傾向としては,3月4日までは10人から20人の新規陽性者で落ち着いていたものが,3月5日あたりから増加して,15日には63人になりましたが,翌16日32人,17日15人と,一見落ち着くかのような様相を示していましたが,その後急増しました。

問題視されている検査数ですが,検査数自体国際的には圧倒的に少ないですが,数字の開始が3月5日からと,統計そのもののスタートも遅い事が分かります。それ以上に不可思議なのはその極端な増減です。3月15日に陽性者が63人になった日の検査数はわずか107人,陽性率59%です。翌16日は検査数42人に対して陽性者32人で陽性率なんと76%です。ただし書きがありますが,検査数が大きくマイナスという日もあります。マイナスは言うに及ばず,どうも検査数がごく少ない日というのも,ダブりの検査数を除いた結果らしい?のです。だとすれば,その減らすタイミングによっては,陽性率が100%を超えることも起こり得ますが,さすがにそういう数字は出ていません。

感染者の年齢構成は,当然の事ながら中国の2月11日時点のデータと全く同傾向です。
年齢構成は,3月24日18時時点のデータで,全体の陽性者数は12時現在なので確定しないですが,3月24日12時で1095人,3月25日12時で1160人ですから,仮に1日の増加数65人を時間で比例配分した16人を加えた1111人中で20歳未満の陽性者は29人ですから。2.6%となり,先に指摘した中国の2月11日時点のデータ2.1%とぴたり一致します*。やはり,20歳未満の感染者は極端に少ないことがわります。わざわざここの年齢層を狙っての休校措置が如何に馬鹿げた事か,我国の厚労省のデータからでも明らかです。

それから,ここに来ての陽性者の急増は東京都の数字の急増が寄与しているわけですが,むしろ従来人口日本一の東京が都道府県別で3位くらいだったのが不思議でした。諸外国の増え方からしたら日本全体の数字ではさほど急激ではありませんが,東京都の急増は注目すべきことです。


*当然数十倍もの母数の中国のデータの方が統計的信頼性は高いはずです。
**後注:厚生労働省のウェブページにもExcelで作ったグラフはありました。pdfファイルのリンクで別ページで開かせるようになっていました。
あまり役立たないこんなページもあります。
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momotaro

大変参考になります。
解説ありがとうございます。
by momotaro (2020-04-01 04:58) 

Enrique

momotaroさん,
厚労省発表のものは公式発表ですので信じるしかないわけですが,表の数字がどんどん更新されていくだけですので,東洋経済のグラフは大変助かります。「変な表」と言ったからではないでしょうが,厚労省の発表のものは1つの表を3つに分割してさらに見にくくなりました。

by Enrique (2020-04-01 06:27) 

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