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やれない理由を考えるな

企業時代によく言われたこと。
「頭でっかちのエリートほどそうなる」と,諭されました。

むろん,「やれるよう考えろ」というのが真意です。しかし,その様に直接的に言うよりも,陥りやすいパターンを指摘して戒めの意味として言われたのでしょう。

現場の上司からそうは言われたことはなかったので,全体の研修などの際に言われたことです。一般論として賛成です。というか,至極当たり前の事なのに,如何に前向きな仕事をせず,「これこれこうだから,出来ません。」とか,「言われる通りやったけど,ダメでした。」というパターンに陥りやすいかを指摘した言葉だと思います。むろん,言い訳をしないといけない場面もあります。しかし,プロの仕事の世界で,「こうだから,出来ませんでした。」などと言うのは,子供の戯言に過ぎません。しかし驚くべき事に,その様なことを言って仕事をサボタージュする人間が出世する世界もあるらしいことを後に知りました。

現在のコロナ禍において,その言葉を思い出してみると,それの何と多いことか愕然とします。しかも,それが国家の指導層らしい人にそれが蔓延しています。

マスク着用や手洗い励行などを呼びかけつつ,GoToとやらで税金を使って国民の移動を喚起しつつ,いまだに蔓延るPCR検査消極論にそれを見ます。国民にPCR検査をさせない事が不思議で仕様がなかったのですが,この人らのしていることは,一生懸命やれない理由を考えているようです。曰く,「PCR検査数を増やすと,感染者数の母数が増えて致死率が下がる(からコワイ病気として認識されないからマズイ)。」というものらしいです。

この人ら何を考えているのでしょう?どうも,一生懸命検査をやらない,やらせない理由をカシコイ頭脳でお考えの様です。しかし,それすらこじつけもいいところでしょう。この人たちは,日本人のコロナ患者や死者を少しでも減らす事よりも,コワイコワイ病気だとの洗脳教育を施すことの方が大事だと思っている様です。そしてあからさまな数字は見えない方がいいと。そら恐ろしくなってきます。

火星よりも遠い小惑星から砂を持って帰って世界から称賛されるのに,国内のPCR検査体制が出来ない。PCR自動検査装置が作れて海外に輸出して感謝されても国内では使えない。

勇足にしろ止むを得ずにしろ,太平洋戦争に突き進んだかつての日本。零戦や戦艦大和など世界に冠たる軍事技術力を持っていながら直ぐに陳腐化させてしまった。レーダーにそのまま利用できる八木アンテナやマグネトロンなどの優れた発明品を持っていながら,敵にだけ使われた。挙国体制を国民には呼びかけながら,戦に勝つ明確なビジョンがなかった。マスク着用や手洗い励行を国民には呼びかけながら,検査体制の拡充など他国でできる事をしない現在の政府の姿勢は,まさに敗戦にすすむかつての政府と同じです。全く敗戦に学んでいないのです。

何十年も前の民間企業での戒めが守れない日本。敗戦に学べない日本。ひたすら出来ない理由を考え,いや,やらない理由を考えることさえもせず,ただただ時間を潰すリーダーもいます。もはや末期的症状です。意識下か無意識か知りませんが,国民をどん底に突き落とそうとしている政府とそれに付き従う国民に言えます。
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momotaro

ズシンと重く響きますねぇ
なんの対策も採れず、言い訳ばかり考えて無駄に時を過ごしています。
現場の医療関係者が悲鳴をあげ始めました。
同じく現場であるはずの保健所はダンマリ。行政のフィードバックが効かないところが戦前戦中と同じなのだと思います。
by momotaro (2020-12-10 06:13) 

Enrique

momotaroさん,
個別には優れたものを持っていても使いこなせない,
責任ある地位の人たちが一生懸命やれない・やらない理由を考えて,
結局最終現場が酷い目に遭う。
体質は余り変わらずでしょうか。
by Enrique (2021-03-06 08:48) 

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