SSブログ

自治会活動の構造問題

町内会など自治会活動への批判が結構あります。
それへの良くある反論として「批判するなら,活動に参加して改革しろ」と。
当方はそちらサイドの仕事をしましたが,納得できないものに参加する必要もないですし,参加してしまったら,その活動をある程度認めている事にもなります。イヤな行事等に義理で参加する必要は全く無いと思います。しかしながら,知らない事には改善のしようもないというジレンマがあります。むろん,知らないままやり過ごせれば一番シアワセかしれません。

当方も全く興味はありませんでしたが,行きがかり上町内会長になってしまって見えてきた驚くべき実態があります。どうもこれは,行政が扱うのが面倒な仕事(場合によっては法令違反なこと)を住民側の自発的ボランティア活動としてさせているのではないかと。運動会や文化行事などはまだ良いのです。


驚いたのが,各町内会長を勝手に与党議員の後援会役員にすること。むろんそんな法令違反なことを行政は表立ってやるわけがありませんが,後援会を世話している人が勝手にやるのでしょう。

「勝手にこんな事をされると,こっちだって仕事の立場上困るんだ!」
怒りを覚えて後援会事務に抗議の電話をしましたが,のれんに腕押し。どうも彼らにとっては当たり前の行為らしく,へらへらと「何で怒ってんの?」てなものです。「お前らに遵法意識はないのか!?」。全く無いのでしょう。


行政は表立っては野党議員への差別などしませんが,むしろ住民側が自発的に与党議員に協力するのでしょう。役所への口利きなどに使うのが目的でしょう。

町内会長が行政担当者らに町内問題の対応を訴えても,すぐには聞く耳を持ちません。そのくせ,住民が個別に訴えても面倒だから,バラバラに言わず代表にまとめてもらって言ってくれなどと曰います。

彼らの口癖が,「そう言う問題はそちらの地区だけでは無い。」と,ならば,「優先順位をつけてやっている旨住民に公開しているのか?」。そのわけはありません。

町内会行事として,どぶさらいなどを定期的にやります。それはそれで良い行事ですが,住民が手出しするのに危険なところなどは,行政にお願いすることになります。むろん町内会行事に関わる怪我などを保障する包括的な傷害保険には町内で加入していますが,暗渠内のどぶさらいなどは危険な作業になります。

住民から,「出来るとことろまでやったので,残りを市にお願いして欲しい。」と頼まれたことがあります。市の担当課に連絡しましたら,いつもの調子で,「そう言う問題はそちらだけでは無い」と動こうとしません。さすがに怒りを覚えましたので,「住民の年寄りが危険を冒してぎりぎりまでやっているのに,アンタらそれを放置するのか?」と強い口調でやったところ,やっと動きました。


町内の危険区域の改善要望などは毎年定例で要望するのですが,改善された試しがありません。信号機のない危険な交差点などは死者が出ないと決して改善されません。むろんこれは法令上一定以上の道路幅がないと信号設置は出来ないそうで,道路の拡幅工事からやらないとダメの様です。住民からしつこく寄付を集める警察OBの交通安全協会なるものは,公道のカーブミラーの設置くらいはやれるのですが,設置が公道でも私道に絡むとダメ。停止線の新設も規制にからむからダメと。ダメ・ダメ・オンパレードです。私道でダメなのはムリもないしにても,公道上でも私道に絡むからダメと。もともと公道上は私費ではいじれないはずですから,住民は危険なままおアズケ状態を食います。

そんなことでも,おそらく地域から出ている議員などに口利きをさせればそれなりに効果的なのでしょう。普段は住民代表などには洟も引っ掛けない市担当者でも,与党議員と一緒だとニコニコ挨拶してくるのだそうです。そう言う意味で,町内会長を与党議員の後援会役員にするのかもしれませんが,そんなこと当方の様な一年生町内会長は知りませんし,だいたい地方自治法に違反する行為を平気でやる気が知れません。それも,仕事しながらの休日のボランティア活動として,法令に触れる様なことまでできません。


「反対する政党の議員が出ている地域だ」などと,役人が平気で陰口を叩きますので,野党議員に口利きさせてもダメでしょう。野党議員は,一部の業者への利益供与の様な無駄な事業に反対しているのであって,予算全体に反対しているわけでは無いのですが,彼らはミソもクソも一緒にした野党批判をします。むろん行政側にしたら,住民目線の細かな改善などは放っておいて,与党議員と癒着して計画した大きな事業をそのままやれれば仕事はラクチンなのです。

構造的問題だとは思いますが,構造だから仕方ないのではなく,その様なおかしな仕組みを知り理解した上で,住民がはっきりと意識を変えないと,政治も行政も絶対に変わらないでしょう。
nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:学問

nice! 2

コメント 2

momotaro

拝読が遅くなり失礼しました。
地域の自治を、極めて保守的な地方公務員が取り仕切っているのは大問題ですよね。
役人は議員に弱く、仕事は休まず遅れず働かずで、仕事を増やすと上司にたしなめられる世界ですから、こういうことになるんですよね。
住民の自治を育むなら、そこから出てくる意見を尊重し、それを行政に生かすべきなのに、住民に向かって上位下達をやっているんですよね。
それで選挙の度に保守党が勝ってしまう。
この地方自治の在り方を変えたいですね。
私はまだ近付いていないので、なんの功績もありませんが、そんな状況になることがありましたら、ご助言を頂きたいと思います。
by momotaro (2022-03-03 09:29) 

Enrique

momotaroさん,
こういうものは,やらない方が幸せだと思います。
これを何年もやっている方には本当に頭が下がります。
人間の出来ていない当方などにはとてもできません。正直苦痛でストレスたまりました。1年のルールでしたので,次の方にバトンタッチしましたが,現状が当たり前とは到底思えませんし,何も考えず踏襲していれば楽なのでしょうが,いい加減な当方でもやってられないものでした。地域によっても違うのでしょうが,その節は助言位は出来るかもしれません。
by Enrique (2022-03-07 15:42) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。