安倍氏銃撃事件に思う
最長の首相在任期間を記録した氏が銃撃され死亡した。
当然のことであろうが，自粛や，民主主義の破壊との犯人への怒り・批判ムード一色である。政治的な効果を狙っての凶行ではなさそうであるが，むろん，社会的地位や影響力の大小に関わらず殺人が許されて良いわけがない。
しかしながら，最長の首相在任期間を経たとなると，そのうらみつらみも蓄積して，中には根も葉もない恨みを持つものも出てくるだろう。当然「警備はどうなっていたのだ？」という声が上がる。実行犯が元自衛官というのも何やらばつが悪い。
起こってしまった以上，結果論として警備に手ぬかりがあったと言うしか無い。犯人は政治信条による恨みでは無いと供述しているとのことである。参院選の投票日直前の出来事でもある事から，報道もヘタな事は言えないと自粛しているのだろう。
敢えて，別の観点からこの事件を見てみたい。
「小人閑居して不善をなす。」
忙しい日々を送っている者は，悪いことを考える余裕なんて無い。
愚痴を言いながらも，せっせと仕事に追われる日々。それがかつては多くの若者や仕事盛りの人たちの日常だったのではないか。日本で凶悪事件が少ないのも，日本人特有の真面目さ温厚さだけでなく，せっせと働いて悪いことを考える余裕なんて無いというのが，その理由の一つだったのではないか。
しかしながら，暗殺されてしまった安倍氏とその前後の政治家たちは，現在忙しく日々を送る者以外に，将来の不安を抱えて不遇な日々を送る者たちを大勢作り出してしまった。真面目にせっせと働いても将来の展望が開けない。むしろ，ずるいことをやった方が儲かる，など。
暗殺が起こる様な，不安な社会の元凶を作ってしまったのではないか？
政治家が襲撃されたというと，どうしても政治信条による恨みを疑いがちだが，京都アニメーション事件の犯人の様に，勝手に個人的恨みを抱いて凶行に走ったのではないか？とも感じる。
警備の不備はあっただろう。
数十人はいたとされる警備の警察官やSPは，元総理の視線の方向に（反対派などの演説妨害に）鋭い目を光らせても，肝心の命を狙う様な行動にはむしろ無防備だったのではないか。
何分安倍氏は総理を長くやって来た。
恨みを抱く者もその在任期間の長さや影響力の大きさに応じて増加する事だろう。
１件の大事故の影には300件ほどの「ヒヤリハット」事象，29件ほどの軽い事故があるといわれる。
今まで厳重な警護で守られて来た面もあるだろう。恐らくSPに護られて難を逃れて来た事もあったのではないか。さすがに警備は総理が現役の時よりは手薄だったところを，必ずしも政治信条的な反対者でない者（勝手な個人的恨みを抱いた者）が襲い掛かった。
決して起こってはならない事が起こってしまったが，その様な不穏な社会を作り出してしまった政治家本人含め，その支持者にも不支持者にも，むしろそれが積極的であれ消極的であれ，責任の一端はあるだろう。なぜなら，氏が社会を変革しつつかつ総理在任の歴代最長ともならなければ，上で挙げたような意味で首相経験者の暗殺という可能性も低かったはずだからだ。
当然のことであろうが，自粛や，民主主義の破壊との犯人への怒り・批判ムード一色である。政治的な効果を狙っての凶行ではなさそうであるが，むろん，社会的地位や影響力の大小に関わらず殺人が許されて良いわけがない。
しかしながら，最長の首相在任期間を経たとなると，そのうらみつらみも蓄積して，中には根も葉もない恨みを持つものも出てくるだろう。当然「警備はどうなっていたのだ？」という声が上がる。実行犯が元自衛官というのも何やらばつが悪い。
起こってしまった以上，結果論として警備に手ぬかりがあったと言うしか無い。犯人は政治信条による恨みでは無いと供述しているとのことである。参院選の投票日直前の出来事でもある事から，報道もヘタな事は言えないと自粛しているのだろう。
敢えて，別の観点からこの事件を見てみたい。
「小人閑居して不善をなす。」
忙しい日々を送っている者は，悪いことを考える余裕なんて無い。
愚痴を言いながらも，せっせと仕事に追われる日々。それがかつては多くの若者や仕事盛りの人たちの日常だったのではないか。日本で凶悪事件が少ないのも，日本人特有の真面目さ温厚さだけでなく，せっせと働いて悪いことを考える余裕なんて無いというのが，その理由の一つだったのではないか。
しかしながら，暗殺されてしまった安倍氏とその前後の政治家たちは，現在忙しく日々を送る者以外に，将来の不安を抱えて不遇な日々を送る者たちを大勢作り出してしまった。真面目にせっせと働いても将来の展望が開けない。むしろ，ずるいことをやった方が儲かる，など。
暗殺が起こる様な，不安な社会の元凶を作ってしまったのではないか？
政治家が襲撃されたというと，どうしても政治信条による恨みを疑いがちだが，京都アニメーション事件の犯人の様に，勝手に個人的恨みを抱いて凶行に走ったのではないか？とも感じる。
警備の不備はあっただろう。
数十人はいたとされる警備の警察官やSPは，元総理の視線の方向に（反対派などの演説妨害に）鋭い目を光らせても，肝心の命を狙う様な行動にはむしろ無防備だったのではないか。
何分安倍氏は総理を長くやって来た。
恨みを抱く者もその在任期間の長さや影響力の大きさに応じて増加する事だろう。
１件の大事故の影には300件ほどの「ヒヤリハット」事象，29件ほどの軽い事故があるといわれる。
今まで厳重な警護で守られて来た面もあるだろう。恐らくSPに護られて難を逃れて来た事もあったのではないか。さすがに警備は総理が現役の時よりは手薄だったところを，必ずしも政治信条的な反対者でない者（勝手な個人的恨みを抱いた者）が襲い掛かった。
決して起こってはならない事が起こってしまったが，その様な不穏な社会を作り出してしまった政治家本人含め，その支持者にも不支持者にも，むしろそれが積極的であれ消極的であれ，責任の一端はあるだろう。なぜなら，氏が社会を変革しつつかつ総理在任の歴代最長ともならなければ，上で挙げたような意味で首相経験者の暗殺という可能性も低かったはずだからだ。
2022-07-09 09:37
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コメント(4)
＞１件の大事故の影には300件ほどの「ヒヤリハット」事象，29件ほどの軽い事故があるといわれる。
興味深い数字ですね。人生のあらゆる場面で当てはまりそうです。
by アヨアン・イゴカー (2022-07-29 11:10)
アヨアン・イゴカーさん，
この事件に関してあまり情報の無い「自粛期間中？」に書いてみましたが，その後宗教団体の名前が出てきましたが，あまり進展は無いようです。「宗教の問題では無く，彼を悪宣伝した連中のせいだ！」という様な主張も見られましたが，何やら白々しいものでした。犯人の供述を信用しない？というのもおかしなものですが，どう言う主張をするにしろ，報道が信用できないというのは困った事です。
敢えて，事故の危険性の観点のみから見てみました。
by Enrique (2022-07-30 16:49)
母親の元統一教会傾倒を恨み、その有力な関係者が安倍元総理と認識し、彼を狙ったという犯人の犯行の動機は、主観的動機としては間違っていないと思います。執った行動は異常でしたが。
プラス、警護の甘さが相まって起きた非常に稀有な事件でした。幸いなことは、無関係の人を誰も巻き込まなかったことです。
以上が私の感想です。
時々ご訪問いただき感謝しております。
by momotaro (2022-09-07 14:01)
momotaroさん，
この記事は，事件の翌日に書いたものです。当時の限られた情報から予断を含まず一般論を書いたものです。今の情報からしたら「何を生ぬるい事を書いているのだ」と思われるかも知れません。しかし，大枠で間違いではなかったと思い，記事の修正等はしていません。
宗教がらみだとの報道したが，旧統一協会とも何とも報道されていませんでした。一部からは「政治信条に反対するものの仕業であり，氏を叩いた者たちのせいだ」と大声を上げる著名人がいましたが「間違っていました」と謝罪した者を知りません。流石に宗教名が報道され，犯人の動機が明らかになり，政治への汚染が暴かれるにつれ，歪曲しようが無くなったようです。
by Enrique (2022-10-04 14:25)