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日航機事故から30年

8月はメモリアルな出来事が目白押しです。
太平洋戦争末期の1945年の8月1日から全国の都市で米軍機B29による空爆が行われ,大きな被害を出しました。これにちなんで花火大会などの鎮魂行事が行われます。8月6日,9日の広島・長崎の原爆忌は余りにも大きいものです。そして15日の終戦(敗戦)です。全地域で武装解除になったわけでもなかったのでしたが,一応の大きな区切りでした。

それに1985年の8月12日から,新たな回忌が追加される事になりました。日航機事故です。
現在,大きな課題が目白押しで,目新しい事実も出ないせいか,この事故自体が報道される事も少なくなりました。

最近,コックピットのやり取りの音声をデジタル処理したりして,正確に検証することも行われましたが,2000年には貴重なヴォイスレコーダの現物が当時の運輸省の手で処分されてしまっていました。最近行われたものは誰かがコピーを取っていたものを調べた様です。異常発生から墜落に至る緊迫したやりとりはYouTubeにも上がっています。

この事故は,小説や映画にもなりました。
作家らの創作欲を刺激するほど謎の多いものだったということですが,今となっては風化しているようです。
平和と戦争について考えることが多いこの時期に,日航機事故をどうみればよいのでしょう?

墜落場所に関しては二転三転,自衛隊が出動しないばかりか地上からの救助活動も(結果的には)妨害しています。
当時の上野村の村長の黒澤丈夫氏は,旧軍で航空士官だった人でした。当時の技術でさえ墜落場所などすぐ特定出来たはずなのに,なぜわからないのか疑問に感じたそうです。

事故から数日後,医療用の放射性物質を積んでいたことが報道されました。
それから,飛行機ではバランスを取るために,小さくて重い劣化ウランを積んでいるのだそうです。
自衛隊の救助が遅れたのは,隊員の被曝を考慮したためではないかと言われます。結果的には生存者がいたわけですが,通常の航空機墜落ではまず生存者はいません。どうせ助からないのに自衛隊が事故現場に早く駆けつけて被曝の危険性に曝されるよりも,遅らせてより隊員の安全を優先したのではないかと。あのドタバタはそう見ても不自然ではないでしょう。

生存者4人が,墜落当時多数の声が聞こえて生存者がいたと証言しており,当時の新聞にもその様に報道されたにも拘らず,正式な事故報告書にはそう書かれていないようで,気圧低下に関する生存者の証言とも食い違いのあるまま,しりもち事故の修理ミスによる圧力隔壁の破壊という結論に至っているようです。

事故の十年後,米軍海兵隊員の証言が米国からもたらされました。
米軍機が事故直後に発見してすぐに救助活動に入ろうとしたが,日本側から断られたというものです。
純粋に民間機の突発事故なのかどうか?調べれば調べる程謎の多い事故でした。

この事故の教訓は何でしょうか?
この例を見る限り,自衛隊は民間人を救助しようという発想は元々無いということです。もともと本務ではないのです。
しかも,米軍の申し出を断ってまで放置しなければならなかった事情は一体何なのでしょうか。
事故原因の究明は最も重要です。しかし,生存者の証言は採用されず,最初から結論ありきの原因究明であった可能性があります。事故の教訓が,後世にしっかり伝えられたのなら忘れても良いのですが,秘密主義の壁で,肝心なところがうやむやなまま忘れてしまうと,人間悲しいかな,必ず繰り返してしまうものです。

例を挙げるまでもなく人類の進歩は失敗の歴史でもあるわけです。責任問題を棚上げにしてでも正しい原因究明が必要なのですが,この事故には単なる責任問題以上の闇があるように思われます。
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majyo

最近でも色々と取沙汰されていますね
関係者の自衛隊員が不審な自殺をしたとか

今から15年くらい前に日航OBの方が
HPを立ち上げ、真相究明されていました。
とにかく航空界にいた人でもおかしいと思われる事故だったようです。
謎が謎を呼びましたが、所詮本やネットだけでわかる事ではありませんでした
終戦後に起きたもっとも多くの事故死でしたね。
私が1回目に行った時でも、最近見つかった遺骨がありました。
あれから30年
この日は別の事で、私にも思うことの多い日なのです
by majyo (2015-08-12 17:25) 

Enrique

Majyoさん、コメントありがとうございます。
この事故に関しては、事故当時から不自然さが付きまといます。何か不都合な事があるのは確かのようです。生存者の証言が採用されてないと言うのは非常に奇妙なことです。生存者が出ることが想定外だったのかも知れません。ネット上には色んな情報がありますが、信憑性は分かりませんね。必ずしも人命が一番ではない事があるという、いやな教訓かもしれません。究極の人命軽視は70年前だった訳ですが、その後も起こっていると言う事です。
by Enrique (2015-08-12 20:24) 

よしあき・ギャラリー

政財界の出来事いうのは闇の中が多いようですね。
真相を突き止めれば、また、闇の中へ葬られてしまうような怖さを感じます。
底には欲望が渦巻いているようです。
by よしあき・ギャラリー (2015-08-13 05:40) 

gonntan

ご指摘の通りですね  昨日テレビで見ましたが修理ミスもなぜそうなったのかはわからないと言われてますし、何か言えない理由というものがあるのでしょう
by gonntan (2015-08-14 22:25) 

Enrique

よしあき・ギャラリーさん,ありがとうございます。
時々変な事件が起きますが,真相はうやむやと言う事も多いものです。事故調査委員会の報告書にもかなり疑問点が残りますが,疑惑を残したまま打ち止めという事の様です。
by Enrique (2015-08-15 19:55) 

Enrique

gonntanさん,ありがとうございます。
マスコミでも番組をやっていますが突っ込んだものは無い様ですね。ネットにあるものは陰謀論のような雰囲気ですし。事故当時から「何かおかしい」というツジツマの合わない違和感が残ります。事故調査委員会の報告書にも不思議な事が書かれています。フライトデータレコーダはテープがよじれて切れていた。コクピットボイスレコーダーは音質が悪く,消去部分に重要な情報があったのではとも。生存者は奇跡的であり他は即死としていますが,それなら,恰好の貴重な証言者な訳ですが,その証言とは食い違う結論を出しています。
by Enrique (2015-08-15 19:55) 

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