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エネルギーのベストミックス

当然の事ながら,冬は寒いです。

当家では十数年前の全面リフォームに伴って,キッチン,風呂場,リビングなど主要部を床暖にしたのですが,熱源は昔からの流れで,灯油燃料にしていました。一番安かったからです。当時はリッターあたり40円〜50円/Lでした。その後何も考えずにそのままにしていました。昨年床暖給湯ボイラーが壊れたので,また何も考えずに灯油式の省エネ型のものにしましたが,正直寒いです。以前のものならまず最高にしなくて調節範囲の半分以下で済んでいたものが,今のものは最高にしても半分以下の感じです。施工業者に調べてもらっているところですが,カタログ上の効率が以前の他メーカー品のものよりも少し上がっていて,熱出力あたりの灯油消費量は若干少ないものの,熱出力は若干上がっています。てっきり以前と同様の快適さを燃料を若干節約しながら享受できるものとばかり思っていましたが甘かったようです。

以前のものは給湯温度が何段階か調節できましたが,初期設定のまま60℃で使っていました。
現在のものは,標準で50℃,エコ運転で40℃。当然標準で使っていますが,どうもこの給湯温度の低さが原因のようです。対応は業者からの回答を待つとして,最悪補助暖房が必要ですので,何が良いか検討してみました。灯油の値段が上がっていますので,灯油が最安とも限らないかもしれません。

考えられるのは,だいたい以下の3つでしょう。
・電気
・ガス(都市ガス・LPガス)
・灯油

一番基本的な比較は,発生熱量あたりのお値段です。効率100%として,純粋の発熱コストを算出してみます。

電気はkWhが単位ですが,これは1000W×3600秒でジュール[J]に読み替えできますので,
1kWh = 3600kJ = 3.6MJ
です。
電力の単価というものが出しにくくなっていますが,
家庭用の契約では多く使うほうが高くなります。普通のものの値段とは逆ですが,電気は贅沢品という時代の名残でしょう。仮に25円/kWhとしてみます。

熱の仕事当量を4.2J/calとしますと1kcalあたりの電気による発熱コストPEは,
PE=25円÷(3.6×103÷4.2) ≒ 2.9銭/kcal

都市ガスの値段もこれまた分かりにくいもので,こちらは使った方が単価が下がりますが,当家の使用量は月10m3以下なので1m3あたりの単価は300円ほどですが,もっと使うと単価が下がるので200円/m3としてみますと,ガスによる1kcalあたりの発熱コストPGは,
PG=200円÷(1000×(1000/22.4)÷4.2) ≒ 1.9銭/kcal

なお,都市ガスの成分はメタンガスにエタンガスが1割ほどらしいので,これによる発熱量は,1000kJ/molとしました(メタンガスの発熱量は888kJ/mol,エタンが1556kJ/mol)。また,1molの気体体積22.4L,都市ガスの供給圧力は約1.03気圧との事ですがこれは無視して1気圧としました。
なお,プロパンガスは立米あたりの発熱量が大きいですが,ガス単価がそれ以上に高いので発熱量あたりの単価はずっと高いはずです。

灯油はどうでしょうか。
このお値段もかなり変動がありますが100円/Lとし,発熱量を36.7MJ/Lとしますと,

PP=100円÷(36700÷4.2) ≒ 1.1銭/kcal

電気が一番高いという,大体感覚通りの結果ではあります。原油価格が上がればどのコストも上昇しますので,この比率に大きな番狂わせは無いものと思われます。

かつて盛んに宣伝された夜中の一定時間内の電気料金が1/3になる深夜電力の契約は,ほぼすべての電力会社が新規の契約を廃止しているようです。深夜電力契約ならば灯油並みの単価になり,かつエコキュートを使えば,さらに1/3のエネルギー単価になるのでした。

ただし,器具のコストも考えないといけません。

妻の母の家では,それまで使っていたFF式のガス暖房器具が壊れたので,安価な開放型のファンヒーターに替えたところ,家中に湿気が溜まり,押入れの布団を全部ダメにしてしまったとのことです。燃料や暖房器具のコストだけを考えていても,こういう失敗もあるということです。
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