SSブログ

アメリカとの交渉

仮に英語に堪能だとしても,日本人の平均的な発想では必ずやられます。

平均的な日本人の米国像はどんなものでしょうか?

密接な同盟国。
太平洋を隔てて隣国。
自由の国。陽気で合理的なアメリカ文化。

密接な同盟国で,日本も貢献しているから,イザとなれば守ってくれる。助けてくれる。戦後アメリカの核の傘の庇護の下で安全を維持して来た。いつまでもアメリカの好意に甘えてはいけないから,さらなる貢献をしなければいけないと主張する方々もいます。

本当にそうなのでしょうか?
アメリカ人は権利を主張します。これはアメリカに限らず,国際的には普通なことでしょう。かたや日本人は,権利を引っ込めて,ご無理ご尤も,長いものには巻かれろ,的な発想をします。
これでは一方的にやられてしまいます。

「これだけ献身的に貢献しているのだから,アメリカさん,日本が困ったら助けてくれるだろう。」なんて論理は通じません。「日本人がいくら犠牲を払ったって,それは国内問題でしょ」と。確かに要求はしたかも知れないが,受け入れたのはおたくでしょ。自国民をコントロールするのはアメリカではなく日本ですよと。

あちらは,まずは,自国民,国益最優先です。当然の事です。宗教観にもよるのでしょう。国民を犠牲にして交渉担当者たちだけがうまくやろうなんて発想はありませんし,あってもそれは非常に恥ずべき罪深い事でしょうから,日本側がいくら不利な条件を受け入れたって,それは納得づくでやったことと考えます。多種多様な人種や価値観がある社会では,契約こそがすべてです。それが不平等だろうが何だろうが,一旦書面で取り交わした契約が基準になります。困るなら困るとしっかり主張しないと,言うがままになってしまいます。

「これだけ尽くしているのだから,言わなくても分かるだろう」などという事は絶対にありえません。このような発想が通用するのは先進国の中では日本くらいではないでしょうか。人を無条件に信用する。相手を立てる。自分を殺す。この様な点は日本人の美点だとは思いますが,交渉には大変不利な特性です。

不利な条件を受け入れても,国民には飲ませる事が出来ると,交渉担当者がそのように考えるなら,それは確かに国内問題でしょう。せいぜいお人好しです。一時期経済大国になり,今もGDP世界3位であることは間違いありません。しかし,日本では世界地図は日本中心のものですが,欧米では右のはじっこの小さな島国です。アジアの小国であり,Japan, Tokyoまでは知っていても,Osakaはいっぺんに怪しくなります。片思いして一生懸命貢いで,「アメリカの核の傘の下で守ってもらっている」という,思考停止した方々が目覚めないと,不平等状態はずっと続くことでしょう。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。